発電時CO2排出量先進国で最多?

5/1の日経新聞の記事。日本は発電時のCO2排出量が先進国で最多だそうです。

日本の発電は石炭・石油・天然ガスの発電比率が非常に高いからです。

なぜか?東日本大震災時の福島原発事故で、当時発電量の1/3強を占めていた原発のほぼ全てが止まり、火力発電に偏ったからです。

震災当時の民主党政権が、原発を悪者にしたてて太陽光など再生エネ発電を推進するというきれい事の誤った政策を打ち出しました。再生エネが主力発電になるまでには数十年掛かるという事は分かり切った事でしたが、国民に「原発を停めても再生エネがすぐに肩代わりする」ような幻想を頂かせたのです。

もちろんアチコチに太陽光パネルが設置されたのですが、全くもって発電量はおぼつかず、そこに付け込む形で電力会社以外の企業が石炭火力発電所を大量に作りました。これは原発停止による電力需要が確実に見込め、石炭発電は設置コストもランニングコストも「安い」という理由からでした。

震災以前は、「京都議定書」という環境保全の世界的取り決めを日本が主導して、CO2を減らそう!森林や海洋を保全しよう!という国家的大方針だったにも関わらず、石炭火力発電所を増設するという発展途上国のようなインフラ政策をとってしまったのです。

最も正しい政策は、

福島原発事故を踏まえ、原発の安全性を世界最高水準、いや世界一に高め、一部国民の原発アレルギーを治療し、原発の再稼働を行いつつ再生エネ発電の普及を急ぐという事です。安全を高めた現存する原発の多くを稼働させれば、その時点で日本のCO2排出量は激減するのです。

再生エネの主力電源化はどうやっても20-30年掛かる事業なのです。それまでの間、火力発電でCO2をまき散らすべきではありません。

自動車も電気化が猛烈に進んでいますが、そのEVに供給する電気が火力発電では片手落ちです。

将来、再生エネが主力電源まで育った時、原発は継続か否かを決めればよいのです。

フィリップ カレッジリング