9/23讀賣朝刊

9/22-/23の讀賣朝刊に退任した安倍元首相のインタビュー記事が載っていました。

功罪有れど、なかなか良い政治をしたと思っています。

発言の中のこれ、うなずけます。

 

 

「外交で友好は手段。目的は国益」

 

日米関係、日中関係とも友好は手段であり目的は日本の国益です。

好きとか嫌いとか感情論で友好・非友好を唱えてはいけません。

 

 

 

ワタクシ的国際政治観の基礎はですね、、、、

 

 

1)欧米諸国は20世紀までの植民地支配など拡張主義の後遺症弊害が大きい事から、現在では日本含むアジア圏を自らの領土とする気は全く無い。

 

 

2)中国は18-20世紀に欧米と日本の侵略を受けた過去に強い悔恨を持っており、また人口の多さから資源・食料を求めて領土拡張志向がある。つまり、台湾・日本など太平洋へのアクセスの良い島国を領土化する野心がある。それが顕著に表れているのが尖閣諸島問題や南シナ海問題。

 

 

3)ロシアは伝統的に西欧各国と民族的にも宗教的にもソリが合わない。中国のように人口の多さからの領土拡張志向は無いが、経済的動機からシベリアから太平洋への資源輸出のアクセスポイントを必要としている。オホーツク海、ベーリング海は年がら年中荒れていて凍結もあるので、北方4島など不凍港のアクセスポイントは絶対に譲らないと思われるし、場合によっては北海道を領土化する野心が危惧される。

 

 

4)このように領土拡張野心(日本の独立が脅かされる)があるかもしれない二つの大国に近距離の海を隔てて接する日本は、民族や文化的には日本と大きく異なるが日本を再び占領する気は全くないアメリカと同盟を結び、領土拡張野心のある中国・ロシアの2大国に地理的に隣接している日本の安全保障を保つ必要がある。

 

 

5)経済・貿易においては、アメリカと中国の世界2大マーケットを無視して日本経済は成り立たない。

 

 

6)よって安全保障はアメリカと結び、中国とは良好な経済関係を結ぶ2国との「友好」が日本の国益のクリティカルポイントである。

 

ここが重要。「友好は手段であり、目的は日本の国益」。

 

この方針を基盤とする自民党は個別の政治家において問題のある人も多いが、基本政策が上記のわたくしの政治観と同じなので支持しています。

 

 

 

おっ、、安倍さん、これもなかなかいい事言ってますねーー。

 

 

「歴史は1国のみで作られているのではなく、世界の中で日本の歴史がある」

 

 

歴史というと、戦国時代の織田信長とか豊臣秀吉とか・・・じゃないです。それは趣味的娯楽的歴史好きのお話し。近代政治経済における「歴史の重要性」とは、日本の古くからの諸外国との関わりの事です。遣唐使から始まる日本の近隣諸国との歴史、琉球王国、北海道開拓、黒船来訪など日本本土以外の国・民族との関わり歴史を指します。これをしっかり認識して国家運営をしてもらわないと日本の統治や外交・経済は成り立ちません。

 

これ以前のブログでも掲載した資料ですが、19世紀のアジアの西欧各国の進出・植民地化の地図です。

日本と朝鮮半島、タイ王国以外のアジア各国は欧米列強の植民地だったのです。

 

インド、パキスタン、ビルマ、マレーシア・シンガポールはイギリスの植民地で、更にアヘン戦争の結果、香港も。ベトナム・カンボジアはフランス、インドネシアはオランダ、フィリピンはアメリカの植民地でした。つまりインド洋から南シナ海・東シナ海への北上圧力でした。

 

21世紀の今、この矢印が逆のベクトル⇩、中国が南と東に圧力を向けていているという認識を持たねばなりません。

フィリップ カレッジリング

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