株式市場は実態経済と無関係

ワタクシ仕事柄普段から、為替相場、金銀取引価格などの経済指標を毎朝チェックしています。コロナ禍で3月にはひどい乱高下がありました。これらの数値をチェックしていると、どうしても株式指標も目に入ってきます。NYダウ、日経平均など。

 

 

 

コロナ禍み見舞われたこの数か月、株式指標の数値が変だな???と思っていました。

 

 

 

なぜならば、経済活動の萎縮、需要の蒸発などで各企業の決算発表は惨憺たるものが続いているにも関わらず、NY市場も日経平均も3月のほんの一瞬を除けばさほど低落していないのです。

 

 

その一つの回答が7/12の讀賣朝刊のコラムにありました。

経済学者、伊藤元重の寄稿です。

ワタクシ、学校の推薦図書にもなってたのでこの人の本何冊か読みました。王道の経済学理論で、特に特徴のある理論を言う人ではありません。まあ、、お堅い学者さんですわ。

 

このコラムの主題は、決して株式市場の事ではなく貿易上の保護主義とか金利の事なんですけどね。

「金融市場が経済の状態を正しく反映しているのならば、、、、、」という一文に目が留まりました。

 

 

 

 

そうか!!!

 

 

 

株式市場は実態経済=企業経営の実態を反映していないのかも?????

 

 

 

 

そう考えると、つじつまの合う部分があります。

 

株式市場の資金の過半は投資運用資金です。生保損保、厚生年金基金、投資信託、ファンドなどなど。つまり既に預かっているお金、既に払い込まれている保険料などの資金がコロナで蒸発する訳じゃありませんよね。それらの資金は、コロナで企業経営が痛んでも運用を続けなければいけません。

 

 

銀行に預けても金利はゼロ、国債もゼロ、仕方なく既に手元にあって運用せざるおえない義務的資金が株式市場でウロウロしている訳です。

 

日経平均やNYダウなんてのはちょこっと中央銀行がなんかを発表したら出たら上下したり、ボーイングがどっかと大型契約を結んだってニュースが出たらボーイングの株が上がったり、、、とにかく何か材料を探して売り買いしているだけなんじゃないの?

 

 

 

企業の株価ってのは、その企業の実際の業績と将来性によって決まるべきものです。そうではなく、株屋や投資屋の「自家発電的」「義務的運用」で株価がゆがめられているとすれば、それは「バブル」です。

 

最近、敵対的ではない公開買い付けによって上場廃止になる優良企業のニュースをよく見ます。真面目に経営している者にとって、短期的運用成績目的のみで株を持つ株主に経営に口出しして欲しくないってコトですね。

 

バブル(泡)はいつか弾けます。

 

 

そして8月に入って、NY先物市場の金の取引価格が1トロイオンス(約32g)当たり$2,000を超え、史上最高値を記録しました。これも別に金の需要が高まった訳では無く、超低金利下で債券市場は旨味が無くなり、株式市場も業績の良くない企業群の株を買い続けるのも限界・・・てな訳で、投資筋が金に目を付けた訳です。

 

 

実需で金など貴金属を原料としている我々としてはいい迷惑です。

 

 

フィリップ カレッジリング

コメントを残す