シリーズでお送りしているバッグ・チャーム製作。
前回は、組付けをしました。
今回は、閉じたマルカンを引っ張り強度向上の為にプラズマ溶接します。
Philip College Ringの秘密兵器、アメリカ製のアークウェルダー:ORIONです。
溶接部分にフラックスという薬品を塗ります。
このフラックスは、高温下でガラス質になり、地金の純度を下げることなく「ハンダ」の役割を果たしてくれます。
フラックスのついた閉じ口部分にアークポント(プラズマが発生する先端)をあてがいます。
「バチっ」と溶接。これとても難しいです。素材の種類、太さ、接合部の形状によって電圧、放電範囲、放電深度などを調整しなければなりませんし、ポイント先端を当てる角度や方向もコツが要ります。
全ての閉じ口は溶接します。
お安いアクセサリー類は、閉じ口をそのままにしますので、よくチェーンが切れた・・・となります。実はチェーンが切れたのではなく、マルカンが引っ張られて開いて外れちゃうのです。ヴァンクリーフなどハイブランドのネックレスは全てこのように閉じ口を接合してあります。耐久性が格段に違います。Philip College Ringもそのようにしています。
「カレッジリング屋なんだから、チェーンにそこまでしなくていいんじゃね?」と仰る?? 一流は、全てに手を抜かないのです。(自画自賛)
チェーン本体も信頼できる国内メーカーのコマ全てが溶接してある素材を選んでいますので、これでチェーン全体の強度が担保されます。
溶接した部分は、カーボンが付着しているので希硫酸液に4-5分浸漬してカーボンを除去します。
希硫酸浸漬が終わったら水洗いして、更に有機溶剤ですすぐとカーボンは完全に除去されます。
まだ終わりません。次はメッキ工程です。
続く