人件費は利益

人件費は利益です。

 

んっ?経費だろって?

 

そりゃそーですけどね、税法上とか企業の会計においては人件費は経費ですけど、本来、企業活動とは得られた付加価値を経営者・従業員・株主で分配するものです。

 

昨今、アメリカのビジネス業界や世界的な投資基準において「株主第一主義」を見直す動きが活発化しています。「ビジネスラウンドテーブル」とかいう米大手企業の経営者団体が提唱しているのは、「持続可能が企業活動」=株主だけが儲けるのではなく、従業員や取引先、企業の拠点が所在する地域社会全体に利潤を分配しないと、企業の存続に悪影響が出るという考え方です。

 

当たり前っちゃ当たりまえ。

 

ワタクシ、この考え方に賛成。

 

 

人件費は経費であって、安けりゃ安い方が良い・・というのは「株主第一主義」から来るものと思います。

 

経済学とか資本主義とかのモノの本を読むと、資本主義初期のロックフェラーとかモルガンとか大富豪一族が企業経営をして、オーナー=経営者=株主でしたから、原材料費・諸経費・従業員人件費を差し引いた全ての利潤はオーナーのもの。材料費は安い方がいいし、諸経費は低く抑えた方がいいし、人件費も安い方が良い。その分オーナーの取り分が増えますからね。

 

「原材料費が安い」には二通りあります。1.必要な品質を満たさない程、粗悪で廉価な原材料を使い原価を抑える。これ、商売続きません。2.適切な品質の原材料に高い技術で製品の高い付加価値を付ける。これはいいですね。

 

諸経費は低く抑える方が良い。これも企業活動という利潤を生む事業においては当然です。どれだけ儲かろうが、ミスコピーの紙をゴミ箱にポイするのは怠慢経営ですね。メモでも社内資料にでも使えますし、資源再利用の社会的成果もあります。それに昨今は電子データが進歩しているので、何でもかんでも紙に出力する必要も薄れています。まあ、昭和の時代の仕事のやり方が定着している公的機関、学校、金融機関などは「紙第一主義」から未だに脱していませんが。。。

 

 

問題は「人件費は安い方が良い」の考え方。

 

ワタクシ、これ反対。

 

かれこれ20年程前まで、ワタクシはそこそこの大企業でそこそこの役職をしておりました。中間管理職ってやつです。同僚や他社の同役職の人たちが言う、「いや~、日本は人件費が高いから、海外に工場を移さなきゃ・・・・」とか言うのに非常に違和感を覚えていたものです。

 

人件費ってオマエの給料も込みだろっ!って。

 

現場従業員の人件費を安く抑えるために中国だかベトナムだか給与水準の安い国に製造拠点を移して製造人件費を抑えて、経営陣や中間管理職の取り分はそのままに・・・ってか???

 

この考え方が日本の製造業をダメにしたのです。

 

生産による本質的付加価値を生まない駄目ホワイトカラーが増殖して、現場の足腰はフラフラ。経営陣は、権力争いばっか。

 

製造業だけじゃないですね、どんな業種でも「大企業病」ってヤツが蔓延しています。

 

日本企業、目を覚ましなさい!

フィリップ カレッジリング

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