最近になって「人出不足」という言葉をよく聞きます。
少子高齢化
外国人労働者
ってあたりがキーワード。
でもつい数年前までは「就職難」「失業」「有効求人倍率低下」など、主に若者に仕事が無い・・・と長年言われていました。
実はワタクシ、現在の「人出不足」に違和感を覚えます。
そして以前の「若者に仕事が無い」「就職難」にも違和感バリバリでした。
なぜだろうか???
視点を変えて、新聞記事。
ちょっと前の神戸製鋼の品質不正事件の報道記事。
つい今はKYBの免震制震装置の品質不正報道がなされています。
これ外国人労働者が人出不足を補うという記事。
水産、物流、製造業などに外国人労働者が増えているという内容。
これも外国人労働者関連記事。
外国人労働者の賃金が低いっていう内容。
「高収入に人材少なく」というサブタイトル。
今度はユニクロが従来より人員を9割削減した自動仕分けの倉庫の記事。
関係無さそうなこれらの記事ですが、透けて見えてくるコトがあります。
ようは、日本人の職業選択の幅が偏っているってコトでは無いでしょうか?
以前の「就職難」と言われた時期も「人出不足」と言われている現在も、水産業、物流業、製造業の現場の仕事は日本人の就職希望者が少ないのです。
↓↓↓↓↓は、2018/11/15讀賣新聞朝刊の記事
国会で外国人労働者受け入れ人数とかナントカ、不毛な議論をしていますので関連記事です。
受け入れ見込み数の業界に注目。介護、外食、建設、農業漁業、ビル清掃、飲食料品製造(食品工場)、造船、自動車整備、機械電子の工場など全て「現場」です。
朝早く漁船に乗って、寒くて、キツくて、危ない漁師はイヤ。
水産加工工場で、魚さばくのはクサくて汚くてイヤ。
物流業で、重い荷物持ったり、夜中に運転したりするのはイヤ。
工場で、油やススにまみれて仕事するのはイヤ。
大手製造業でも生産現場の人材が不足し、管理側も現場を知らず、品質不正など世間を騒がす事態を引き起こす重大要素になっているのです。
皆さん、大企業のオフィス勤めで、スーツ着て、パソコン叩いて、土日休みで、更に有給がたくさんあって、「戦略」とか「会議」とかが仕事で。。。。という職業が好きなんですよ。
そういう仕事にありつけないのが以前の就職難の実態ではなかったでしょうか?製造業の現場、農業水産業、物流業、介護福祉業界、などは今になって人出不足になった訳ではありません。
ホワイトカラーって仕事の本質は、モノ・コトの生産や流通取引きが成り立つ為の補助作業(書類作成等)とモノ・コトの生産現場で働く人への給料支払い手続きや労働厚生手続きなど、俗に言う「総務・経理」の業務です。ようは事務屋さんです。
社長が営業やって、奥さんが事務と経理やって、従業員がトラック転がす運送業ならホワイトカラー従業員は不要です。
社長が自ら商品開発して、従業員とともにソレを作って、同じく奥さんが事務経理やって、問屋さんがソレを買ってどこかに売ってくれればホワイトカラーは不要です。
問屋さんや商社に頼らなければ、営業も必要でしょう。
宣伝も必要かもです。
でも「ナントカ企画部」とか「ナンチャラ戦略室」などは本質的には不要でしょう。
「職業選択の自由」を謳歌しすぎた結果が、日本人全員がホワイトカラーに目が向きすぎていると思います。労働者全員がホワイトカラーだったら、世の中成り立ちません。
少子高齢化と言っても、人口減少は年コンマ数パーセントです。いきなり働き手が激減した訳ではありません。つまり、以前の人出不足も現在の人出不足も、現場仕事を嫌がり、デスクワーク仕事ばかりを求職する者が増えた結果の人出不足です。
もっと労働の本質を見直すべし。
アタマ使うとともに、手足を動かす事が労働です。