珍しい「アンダーストーン・エンブレム」のペアリング

珍しい仕様のご注文でした。
「アンダーストーン・エンブレム」とか「トランスペアレンツ(透視)エンブレム」とか呼ばれる技法です。


まずリング本体を作り、石座の底にエンブレムを溶接し、その後に石を載せるものです。
写真のペアリングは、シルバー素材・金メッキ仕上げ、メンズの石はエメラルド、レディースはローズジルコン。エンブレムは、手の形ですね。メンズは、Vサインを横から。レディースは小指を立てた模様。
このアンダーストーン・エンブレム技法は、アメリカのGMだかフォードだか自動車会社のコーポレートリングに採用されたのは始まりと言われています。会社のロゴマークを石座に置いて、更にその上にカラーストーンをセットした「シグネットリング」が始まりだったそうで、ワタクシも写真でソレを見た事はありますが、かなり前(10数年前)だったので、詳しい仕様やデザインは記憶あいまい・・・。
このアンダーストーン・エンブレム、実に制約が多い仕様です。
まず、透明度の高い種類の石である事、誕生石ではホワイトジルコンやローズジルコン、ペリドット、アクアマリーンの4種のみ。
上の写真のエメラルドは、「エメラルドだと光源がしっかりしていないと見えませんよ。。。。」とお客様に申し上げましたが、「それでもいいので何がなんでもエメラルドで。。」というご了解の元作ったモノ。
そしてラウンドカット(スムースカットとかカボションカット)のみ。
ダイヤモンドカット(ファセットカット)だと、屈折してナニガナンダカわからなくなります。
そしてエンブレムそのものもシンプルでフォルムのはっきりしたデザインじゃないとイケマセン。
ラウンドカットの石の「レンズ効果」で湾曲・拡大されてみえるからです。
このペアリングの全体像は、「カレッジリング博物館」でご覧下さい。

フィリップ カレッジリング

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