猛暑とシルバーの変色について(その1)

ちょっと季節外れになってしまった感がありますが、「猛暑とシルバーの変色」っていうお話しデス。

 Philip College Ringの直販ユーザーさんにはおなじみの「アンクルビル・ジュエリークロス」。

このアンクルビル製品の発売元は、中田貿易さんというイヨコハマ(横山剣風の発音)の会社さんで、Philip College Ringの仕入れ取引先でもあります。
ある日、中田貿易の中田社長からメール。
「猛暑の影響でユーザーさんからシルバーの変色についての問い合せありませんか?」
どうやら中田貿易さんには、この猛暑の影響でシルバーが変色してしまい、同社さんのシルバーメンテナンス製品の問い合せや使い方の問い合せが殺到しているそうです。
んっ???猛暑でシルバーが変色???って思いますよね。
実は多大な影響があるのです。
まずシルバーの変色とは、「硫化」です。
よく「酸化して黒くなった・・・」と言われますが、これマチガイ。
酸化とは、空気中の酸素や他の酸性物質に反応する・・・という意味。
シルバーの硫化は、空気中の硫化水素、亜硫酸ガスなどの硫黄系成分と銀が反応して、表面に「硫化銀」という茶~黒の被膜を形成したもので、決して変質ではありません。従って、然るべき方法で表面の被膜を取ってやれば、元通りになります。
硫化水素、亜硫酸ガス類は、わたしたちの生活環境に必ず存在しています。自動車排気ガス、ごみ処理場の煙、石油石炭を燃やした煙、火山や温泉周辺の空気、浄化槽からもガスが発生しますし、オナラや*ンコのニオイも亜硫酸ガス・・・・・つまり生活環境では避けて通れないのです。
そして、火山・温泉国に日本ですから、温泉地周辺や活火山地域では、硫黄成分がかなり強く存在しています。かなり前の三宅島の大噴火の際には、神奈川・東京・千葉でもシルバー製品があっと言う間に黒づんでしまい、アンクルビル製品が飛ぶように売れた・・・・と中田貿易さんが仰っていました。
そんでもって、化粧品などの医薬部外品類。
これらには、様々な成分が微量づつ含まれており、その中には硫化水素系物質や亜硫酸系物質がホンの微量含まれる場合もあるようで、肌に付けつける為、装身具のシルバー製品に直接触れる事になるので影響アリですね。
そして猛暑、つまり温度の影響。
温度帯として、30-60度は自然化学反応を最も促進する温度帯なんです。ジュエリー店さんのガラスケースに照明としてハロゲンランプを使用している場合、その近くは50度以上にもなるので、ハロゲンランプの近くに置いてあるシルバー製品は、たった1日で茶色に硫化してしまいます。
気象庁発表の37度とか40度ってのは、芝生地の日陰の温度計で測った温度。アスファルトの道路にエアコンの排熱、コンクリートに囲まれた環境だと40度以上はザラの今年の日本の夏ですので、当然シルバーにも作用しますね。
つまり日常的に硫化要素が多大に周辺環境にある状況の中で、硫化反応をより活性化させる温度帯になった為に、今年の猛暑がシルバーの変色を助長した・・・という事デス。
別の角度で見ますと、、、
火山や温泉が近くの地域にお住まいの方
交通量の多い幹線道路沿いにお住まいの方
ごみ処理場や石油プラント、火力発電所や製鉄所がある地域にお住まいの方
香水・化粧品など肌につける薬品を多用される方(その種類による)
温泉旅館やスーパー銭湯などにお勤めの方(笑)
猛暑とは関係無くシルバーの硫化とは、うまくお付き合いされる必要があります。
(続く)
フィリップ カレッジリング

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