昨日のログに続いて半導体の話題です。
11/14の讀賣?日経?忘れましたが、いつものスクラップブック代わりの写メです。
半導体不足で日本経済に悪影響が出ている事を受け、政府が半導体など経済に必須のモノを戦略物資として国内生産基盤の強化支援をするそうです。
この政府支援制度自体は悪い事とは思いませんが、何故日本企業は半導体を作らないのか?に踏み込むべきと思います。
2000年代は日本製半導体が世界的シェアを占めていた訳ですから、日本企業は半導体を作る能力が無い訳ではありません。ではなぜ、日本企業は半導体を作らなくなったのか?韓国、台湾企業が日本製と同等品質の半導体を安い価格で作るようになったので、その競争に敗れて半導体事業から相次いで撤退したからです。
ではなぜ、半導体のコスト競争で敗れたのか?日本国内での生産人件費が高いからと言われていますが、しかし日本はバブル崩壊の1990年以降、約30年間に渡りGDPは成長しておらず、デフレーションのまま。賃金も上昇せず、人件費は世界水準で決して高くはありません。
ここに半導体製造コスト競争と日本の人件費に大きな矛盾があります。
半導体生産が単なる労働集約作業であれば、国民1人当たりのGDPが低く、円貨又はドル建てで計算した際の人件費の安い国で作れば良い訳ですが、半導体生産についてはそうではないようです。現に、半導体生産シェアでは韓国サムソン電子と台湾TSC以外はアメリカ企業が占めています。インテル、マイクロンテクノロジー、エヌディビアなどなどです。
わたくしは、経済評論家でもないし企業経営コンサルでもありませんが、ズバリ言うと「日本人の労働種類の好き嫌い」が起因していると思っています。
日本人の特に若者は、就職=良い企業=背広を着てデスクワーク=企画や広報などの職種が花形と思い込んでいます。逆に、工場で制服着て働く事を3Kだの4Kだのと言って毛嫌いします。従って、半導体を生産するような大企業が背広組だらけの「頭でっかち」の体質になってしまい「競争力」が衰えてしまった事が半導体の企業間競争に敗れた理由だと思います。
工場従業員の人件費が高いのではないのです。企業として生産物から採算を取るには、本社勤務者などのホワイトカラーの人件費も含めて部門別採算性を見ます。いくら工場が効率よく低コストでモノを生産しても、頭でっかちになった多数のホワイトカラーの人件費も含んで採算を見るとコスト競争力が低くなっていると考えます。
このように足腰が弱った企業に政府が支援と称して補助金などを出すと、国際的に批判されている中国の国営企業優遇と同じ事になりませんかね?