中国の「共同富裕」

10/23讀賣の社説です

中国経済が【減速】しているそうです。経済用語で「減速」というのは、以前と比較して伸びが鈍いだけの事を大げさに「減速したー」っていう事でして、実際には未だ中国は高い経済成長率を保っています。

今年4-6月のGDP伸びは7.9%、7-9月は4.9%なので4-6月の7.9%に比較して4.9%に「減速」したという意味では、間違えてはいません。しかし、GDP5%とか8%とかの伸び自体が異常である事には触れていません。

世界銀行とかのグローバル機関が定める「正しい(望まれる)経済成長率は年率2%」です。

日本はここしばらくマイナス若しくは0.4-0.5%程度の成長率、アメリカが2%です。欧米主要国のほとんどが2%未満の成長率ですので、中国の5-8%というのが異常な成長率だという点は無視されている論調に違和感を持っています。

記事中で目に留まったのは習近平国家主席が新たに掲げた「共同富裕」と政策の不一致についてです。

不動産や教育、ネットなどの企業への規制を強める姿勢が明らかです。アリババやテンセントなどの世界的ネット企業、盛んに報道されている巨大不動産企業の経営危機、塾を営利で経営してはならない・・・など、稼げる産業の頭を押さえつける事になります。

中国の今のような経済大国になったのは、鄧小平の「先富論」で「先に豊かになれる者たちを富ませ、落伍した者たちを助けること、富裕層が貧困層を援助すること」で豊かになった者(企業)がたくさんいるからです。その豊かになった者(企業)から貧困層を援助する事を強化するなら、課税が最善策であり、企業収入そのものを抑制するのは明らかな間違いでしょう。

しかし中国(習近平)は、その方向を選択しないようです。という事は、富める者を容認しない=社会共産主義への回帰と取れます。

さてさて、「共同富裕」の行く末を見てみましょうかね。。。

全員が富める社会なんて実現不可能のはずですけどね。。。だって、努力しない・働かない・能力の無い者まで裕福になるなら、努力して一生懸命働いて、能力のある者が報われないですよね。若しくは努力を止めてしまい、旧ソ連のように崩壊するはずです。

フィリップ カレッジリング