7/3讀賣朝刊

見出しと目についた文字だけを見た時、違和感を感じましたが中身を読むと「ごもっとも」という記事でした。元統合幕僚長:河野氏の「ワクチン語る」です。

最初に思ったのは、「統合幕僚長=自衛官がワクチンを論じてどうするの?」とネガティブな印象を持ったのですが、最後まで読むと国家安全保障の本質を捉えた非常に良い意見でした。

主旨は、

1. 国民の生命を守る行動に自衛隊を動員するのは当然。

2. しかし、そのワクチン接種に自衛隊を動員するに際して、国家安全保障会議(NSC)の機関決定をしていない事は宜しくない。国民の生命財産保全は軍事問題だけではなく、疫病・自然災害なども対象なのに、NSCは軍事的事案のみという考え方。

3. 自衛隊動員の有無以前に、国家的危機を乗り越えるには私権制限もあってしかるべき。感染拡大を防ぐのは公共社会福祉である。

4. 緊急事態条項と憲法のすり合わせは、危機が去った後に冷静に議論すべしとの論は「時すでに遅し」となる。

5. 100%の確証があるまでは腕組みして待つのは危機対応ではない。

はい、私も今回のコロナ禍においてはもっと強く私権制限による行動・外出規制をすべしと思いました。「命の危険」を感じれば誰でも慎重になります。「命」は自分自身の命だけではなく、自身が感染し無症状でも移してしまった誰か(高齢者など)が命を落とすという「公共社会」の意識が不足している人が多いからです。

フィリップ カレッジリング