新聞記事雑感シリーズ

またまた新聞記事の写メスクラップです。

「駅のバリアフリー化整備費、運賃に上乗せ」

うーーん、仕方ないですね。公共交通機関のバリアフリー化費用については、二つの考えがあるでしょう。一つは、バリアフリー化費用を税金原資で鉄道会社に交付する仕組み。もう一つが今回の運賃上乗せですね。

後者の運賃上乗せ型だと、健常者の鉄道利用者だけが障害者の鉄道利用コストを負担する事になります。本来は、鉄道を利用しない人も含め、広く国民全体の税の一部で障害者のスムースな社会活動(移動)費用を負担すべきでしょう。

しかし交付金になると、またまた自家発電的お役所仕事が増えますので、運賃上乗せタイプもありっちゃありでしょう。お役所を通さずに、民間企業が設備投資する形ですが、そもそも公共交通機関の運賃はお役所の認可制なので、申請・認可の書類仕事はある訳です。それにバリアフリー対応相当分の値上げを認めるので、当然ながらその増収分を原資にバリアフリー投資をしているか?も監督するはずですので、鉄道会社に報告義務とかを科すでしょう。

だったらやっぱり手続き上は、税から鉄道会社に交付金を出してバリアフリー投資させるのと変わらないのでは?もしかして、コロナ禍で減収した鉄道会社の収入補填政策か??

大阪大学名誉教授の猪木氏のコラム、「社会システムが導く進歩」。

基本的論旨は、やはり今回のコロナ禍を受けた日本の安全保障上の社会システムの欠陥を指摘しています。国家の大基本原則は、「国民の生命・財産を守る」と言う国民を守る事です。安保っていうと軍備の事と思っている人が多いと思いますが、安保には、食料・エネルギー・医療・国土・治水などが優先順位高く、次いで軍備です。

食料が確保出来なけば国民は飢え死にしますので、最も基本的な安保でしょう。漁港の整備は漁業資源確保の為の安全保障の一環と言えます。

近代社会では石油・ガスなどの燃料が無い事には社会インフラが機能しません。電力ベースで7割ほど、ガソリンなど自動車・航空機などのモビリティ燃料のほぼ全量を輸入に頼っている日本のエネルギー安保はまさに死活問題です。

国土安全保障はあまり一般的ではありませんが、海岸・河川の護岸工事、ダム工事やガケ面補強などを指します。海岸の浸食や河川の氾濫、ガケ崩れなどで住宅=国民の財産が消滅するのを守るのも安全保障行為です。

そして今回のコロナ禍で明らかになった医療安全保障。疫病から国民の生命を守る体制の不十分さが露呈しました。

これらが「社会システム」ですね。

この猪木教授の論で面白い部分があります。西洋キリスト教社会は、社会システムが東洋より発達する傾向が強いとの事。興味ある理論です。

今度は経済学の大家、伊藤元重教授のコラム。「温室効果ガス削減は投資の好機」

ここ30年間、日本経済は需要も供給も停滞が続いた。企業は内部留保蓄積するばかりで投資を怠った。目覚ましい技術革新もなく、社会全体の資本ストックも伸びなかった。しかし温室効果ガス削減の為の投資は従来に無い新たな技術革新と設備更新などの投資機会になる。。。という論旨です。

別の言い方に代えると、日本は温室効果ガス削減投資を怠ると再び「低迷の30年間」になるという意味です。

果たして今の日本のぬるま湯に浸かっているいるサラリーマン企業経営者達に大胆な将来投資が出来るでしょうか?疑問が残ります。

フィリップ カレッジリング