ブレイディ王朝続く

2/7(日本時間2/8午前)にフロリダ・タンパベイのレイモンドジェームス・スタジアムで行われたスーパーボウル、タンパベイ・バッカニアーズvsカンサスシティ・チーフス戦はバッカニアーズの圧勝で終わりました。

オープニングセレモニーで上空を飛ぶ米空軍の爆撃機3機 シルエットから推測すると左からB1,B2ステルス、B52と思われる

つまり6度のスーパーボウル制覇をけん引し、昨年バッカニアーズに移籍したQB#12トム・ブレイディが自身7度目のスーパーボウル制覇という偉業を成し遂げ、「ブレイディ王朝」はチームが変わっても継続という事になりました。

実はスーパーボウル最多優勝はチームとしてペイトリオッツとスティーラーズが6回づつなんです。・・・・・ブレイディと並び「NFL史上最高のQB」と称されるジョー・モンタナの優勝回数は4回、ペイトン・マニングは2回なので・・・・・・7回のスーパーボウル優勝を経験したトム・ブレイディは???!!!個人・チーム全ての記録を塗り替えた史上最高のQBになりました。

まさしくブレイディ王朝続くです!

ワタクシ的には25歳の若手天才QBパトリック・マホームズ率いるチーフスが勝ち、ブレイディ王朝の終焉の先導を渡す事を期待していたのですが、ブレイディ強し!でした。

このバッカニアーズ圧勝にはいくつもの要素がありました。

最も大きい要素は、マホームズの負傷でしょう。プレイオフで痛めた足の指の影響は、1Q開始直後のランを見るとあまりにも明らかでした。マホームズのような絶対エースQBでなければケガで欠場か控えQBが出てくるレベルでした。

そして先発OL陣3人の相次ぐケガでの欠場とコロナ感染等で先発メンバーと程遠い布陣で臨まざるおえなかったチーフスのオフェンスチームは、完璧にバッカニアーズのディフェンスチームに抑え込まれました。

NHK-BSの解説者達は、やたらと「バッカニアーズのディフェンス陣が素晴らしい!」と解説していましたが、実はバッカニアーズは南地区2位、NFLプレーオフ順位5位のワイルドカードでの勝ち上がりですので、シーズン通してみれば決して「抜群のディフェンス力」とは言えないでしょう。つまりチーフスのオフェンスがマホームズのケガ、OL陣の欠場で「リーグ戦とは別のオフェンスチーム」になったという事です。

バッカニアーズ側の要素としては、ブレイディの移籍に合わせて、引退していた元ペイトリオッツの「相棒」グロンカウスキーの加入です。

左グロンカウスキー  右ブレイディ

2015/2017/2019とブレイディの相棒としてペイトリオッツのスーパーボウル制覇を支えたTE(タイトエンド)だったグロンカウスキーですが、2019年春に一旦引退していました。ブレイディがバッカニアーズに移籍した後、きっとブレイディから「ようロブ、フロリダに来てくれよ!」みたいな話しで、現役復帰したものです。

長年のチームメイトであり、QBを守るライン・RBの走路を確保するスクリーン・パスを受けるWRと3役をこなし、息の合ったプレイでブレイディを支え、グロンカウスキー自身もブレイディからのパスで2TDを決めるというあまりに見事な現役復活劇でした。

ハプニングもありました。アホなファンの乱入でした。

ブレイディは優勝セレモニーのインタビューの締めで「来年も戻ってくる」と現役継続を宣言。43歳のブレイディの王朝は続きます。

フィリップ カレッジリング