コロナ騒動で世界の市場は大荒れです。
ワタクシ、毎朝仕事開始時に各種相場数値をチェックしノートに取っています。この習慣は、サラリーマン時代から30年間以上続くもので、以前は新聞朝刊がニュースソースでしたが、現在はネットの「ブルームバーグ」です。
現在のチェック項目は、
*為替(円ドル)
*原油価格(WTI)
*金価格(NY)
*銀価格(NY)
です。
Philip College Ringの仕入れ支払いの90%はドル建てで支払いますので、為替レートは支払額に大きな影響を与えます。
原油価格は、Fedexなどの航空宅急便の運賃や出張時のサーチャージの把握に役立ちます。
金銀相場は、もちろん原材料の仕入れ価格に直結です。
この4項目の相場がこのところ大荒れなんです。もちろんコロナ騒動が主要因。
まず円ドル為替相場1年推移グラフを見てみます。
2019年前半は110円台、9月頃に105円まで円高。これは米中貿易戦争が激しくなりドル安になった影響。その後107-109円ゾーンでジワジワ円安に振れたところでコロナ問題が勃発し、最初は112円まで円安、その後102円まで円高、そして再び110円までと大きく動き、今朝は107円台。
もっとひどいのは原油相場。↓↓↓↓↓
2019年は1バレル60ドル程度で推移していたものが、現在20ドルと1/3。これには、二つの要因が重なっています。ひとつはコロナ問題で、中国の経済活動が停滞するのでエネルギー源の原油消費が減るとの見方があり相場が下降。そこで主要産油国のサウジアラビア、ロシア、アメリカで相場維持の為の減産が協議されましたが、サウジが拒否して増産したので大暴落。
現在では、コロナ騒動が世界的に広がり、航空便、船便、自動車輸送など全ての燃料消費が停滞してしまい、相場の持ち直しはコロナ問題終息までは見えなくなっています。
まあ、飛行機のサーチャージは安くなりますが、そもそも飛行機に乗って海外に行けません。
そして対照的に急騰しているのは金相場。↓↓↓↓↓
2019年前半は、1オンス当たり1200ドル台だったものが、米中貿易戦争で円ドルや食物などの商品相場が暴れたので、安全資産の金にカネが流れ込み、1400ドル台に高騰。そこへコロナショックで原油安、株安になった為、更にカネが流入して1600ドル台に。
銀相場は若干違う動きです。↓↓↓↓↓
2019年前半の1オンス14ドル台安定が、米中貿易戦争の影響で一時20ドル台に上昇。コロナショックは銀相場を上げではなく下げに向かわせました。現在13-14ドル台で推移。
銀相場は金相場と比較して、投機的資金より実需で動く傾向があります。現代の銀の需要の一番大きなところは電子部品。銀は電気伝導率が良いのでボタン電池やリレーなどのメッキ被膜として使われていますので、コロナ問題で中国を中心とした電子部品生産の落ち込みから相場下落となっているようです。
しかし銀はイオン化して抗菌作用があるので、コロナ問題を受けて今後、殺菌抗菌などの製品の需要が高まるかもしれません。
ついでに株式相場も見てみます。NYダウ平均1年推移。
原油相場に近いことが直感的にわかります。ようは経済活動の回復は、コロナ終息次第という事ですが、、、、、、、多くの日本の大企業の決算は3月末です。3末時点の為替は在庫評価に影響し、3末時点の保有株式は評価損(得になるのは少ないでしょう)に直結。現時点では、世界各地の消費需要は大幅減なので来期見通しは低空飛行が予測されますので、5-6月に発表される決算数字の悪化と今期見通しの低さは、給料・ボーナスのマイナス要因となり、更に消費が悪化するという悪いシナリオが想定出来ます。
つまりコロナが終息したとしても、原油など実需商品は持ち直すでしょうが、株価=企業の業績の持ち直しはすぐにはならない可能性大です。
そこで日本含む世界各国が財政出動で景気対策をとなっています。
簡単に言うとバラマキ。
ワタクシ思いますに、今最も優れた経済対策は新型コロナウィルスのワクチン開発でしょう。
インフルエンザを含む風邪は、未だに根治薬が無いですが予防ワクチンがあるので毎年流行しても経済活動に何の影響も与えていません。新型コロナもワクチンが出来れば「ただの風邪の一種」になります。