送料無料

「楽天市場が2020年から一律送料無料」

 

のニュースが配信されました。

 

「おっ、マジか!?」と思う方もいらっしゃるかと。。。。

 

でもマスコミのフェイク一歩手前ニュース的手法です。誤解してはいけません。ネット/SNSで情報が氾濫する現代、「良く読む、良く見る、良く考える」を心がけねばマスコミのフェイクニュース的手法に踊らされます。

 

 

今回の楽天市場が発表した【一律送料無料】の条件は、、、

 

1. 税込3,980円以上の買い物

2. 離島や山間部など配送料が特別料金のエリアは除く

3. メール便と160サイズ以下の宅急便に限る

4. 2020年の【年初の予定】

 

 

まず、配送料の価格はというと60サイズ(タテ・ヨコ・高さ3辺合計のセンチメートル)で関東から関東へで930円、関東から関西へが1,040円が個人向け定価ですが、ある一定の量を出荷する法人契約するとだいたい800-900円。

 

そりゃ、1980円のモノを買って900円の送料無料は、モノの価格が1000円くらいってコトになり、価格設定そのものがおかしな話になりますので、3,980円とか送料そのものが支払額の30%を切る設定はギリ理解できる範囲。

 

 

ポイントは、【メール便と160サイズ以下の宅急便に限る】という部分。

 

つまり、家具や工具機械など160サイズ以上の大きな荷物は送料無料の対象外。これ当たり前です。Philip College Ringのような「小物・雑貨」の場合、宅急便コンパクトや場合によってはメール便でも配送可能。コンパクトなら関東→関西は、法人契約で500円程なので、3980円の価格なら送料負担は12%程度。

 

そして、「よく読む」とクール便や時間指定のタイムサービス便は除かれています。これは、冷凍冷蔵の必要があり、冷蔵車で運ぶクール便の料金が高いのは当たり前。また、顧客が自身の都合で時間指定をした場合の「受益者負担」の時間指定料金も対象外ですので、これも妥当。

 

 

そして【2020年年初の予定】。

 

つまり楽天市場側は、このような発表をするとマスコミが「楽天市場、一律送料無料に・・・」というヘッドラインを書くだろうという読みのもとに【観測気球】を上げたものでしょう。

 

 

 

さて、ビジネスのテクニック論は別として、モノの送料について真剣に考えましょう。

 

買い物とは、自らが自動車や電車バスなどの交通機関を使用してお店に行き、買ったものを同じく交通機関で自らが持ち帰るものでした。例えば、クルマで20分程度の国道沿いのショッピングセンター(SC)に食品や雑貨、衣料を買いに行く「購買行動」を基準にして考えてみます。

 

クルマで20分=約10Kmの距離。ハイブリット車なら1L分未満=150円のガソリン代。駐車代金は1時間500円くらいでしょうか?だいたいのSCは、5,000円以上のSC内買い物で駐車代金が2時間か3時間無料ですね。5000円未満の3980円の買い物なら駐車代1000円負担ってトコです。そして、特に食品などは結構な重さになり、売り場から駐車場へ重たいモノを運ぶわけですね。

 

まあ、「自分で運ぶ」分は金額換算しにくいですけど、ガソリン代150円/駐車場代1000円/クルマ自体を所有する様々なコストを考えると、この3980円の買い物のコストは1200円~1500円かかる訳です。合計5200円以上。

 

 

それと比較すると、通販の送料の方がだいたい割安です。第一、自ら出掛けなくても自宅に届けてくれる訳です。

 

従って、その送料は【受益者負担の原則】であるべきです。つまり、注文者の負担が原則。

 

 

しかし、受益者はもう一人います。それは、特に地方の中小小売業者やPhilip College Ringのような製造業者。

 

例えば、お店を営業していれば、自ずと商圏範囲が決まっています。お店から直径何キロ圏内とか。それが、通信販売によって日本全国に商圏が広がる訳です。若しくは、大きな投資をして全国のイオンモールなどに出店すれば商圏は日本中になるのですけど、そのような巨大が固定資産投資が不要で大きな商圏を得る事が出来る通販業者も受益者である訳です。

 

従って、通販の送料はエンドユーザーとお店の双方の【受益の度合い】で取り決められるべきで、楽天市場のようなモール(SC)が決めるべきではありません。もし、そうするなら本当の不動産を持つSCのように、駐車場の建設・運営コストを最初からテナント賃料等に加算して、「***円以上お買い上げなら駐車代金無料」のようにSCが負担すべき=楽天市場が負担すべきです。

 

Amazonのように月間500円のプライム会員制度に加入すれば、ほぼ全ての買い物の送料が無料になります。これ、SC=amazonが送料を負担する訳ですが、原資は顧客の払う会費ですので「受益者負担」の原則になります。駐車場を建設整備運営する不動産を伴うSCと同じ考え方です。

 

 

そもそも、「送料無料」や「送料は安いもの」の考え方がデフレマインドであり、日本経済をゆがめている一因だと思います。

 

ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便のオニーチャン達は、年中無休・早朝から夜遅くまで、クルマ運転して、重いもの持って、階段駆け上がって、荷物を運んでくれるんです。

 

キチンと送料は払いましょうよ。

 

 

あっ、でもPhilip College Ringは送料無料です。これは、千葉の片田舎の工房に結構なお値段の品物を注文してくださるお客様へのお礼です。

フィリップ カレッジリング

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