工具紹介シリーズ。指輪打刻機のスペア調達。
Philip College Ringの指輪打刻機(リング内側刻印機)は、Harpというメーカーの約20年前に廃盤になった型を愛用しています。歯車・バネ・ボルト&ナット&ワッシャー・ベアリングなどを組み合わせたものすごくアナログなマシン。IT時代に逆行しております。
まあ、、元々カレッジリングがIT時代に逆行する古典的金型鋳造法。昨今のジュエリー製造は、3Dプリンタにロストワックス真空加圧鋳造法ですが、金型鋳造法は中世(10世紀以前)に確立された勲章やバッジを製造するための1000年モノの製法です。
おっと、話が脱線。リング打刻機でした。
現代のリング内側打刻はレーザー彫刻が主流です。
こんな感じのヤツ↓↓↓↓↓
何年間もウチのカレッジリング・チャンピオンリングに合うレーザー打刻機を探しましたが、現時点ではウチの商品に合うレーザー打刻機は存在していません。
何がダメかっていうと【リング幅】。カレッジリングの平均的最大幅は18㎜前後、チャンピオンリングになると30mm近いものもあります。
世のレーザー打刻機は、世の中で売られている標準的な指輪の標準的な幅に合わせて作られています。標準的な幅とは3-5mm、大きくて10㎜程度。
下の写真の細身リングを3か所で支持している「バイス」と呼ばれる部分が10㎜幅未満のリングしか装着出来ません。
じゃあってんで、特注で30mmリングが入るバイスを作ってよ♪とメーカーさんに相談したんですが、バイスは特注出来るが更なる問題がある事が発覚。
レーザー光線というのは、斜め上から照射するわけですが、カレッジリング・チャンピオンリングのようにリングトップが30mm、バンド部分が10mmもあるとかなり斜め角度から照射する事になります。そうするとレーザー照射口の位置も変えねばなりません。
ってコトは、メーカー既製品ではないオリジナルのレーザー打刻機を1台作ってもらうって事になります。更に更に、、、、、レーザー文字のソフトウェアも変えねばならないことが判明・・・・
斜めからレーザー照射する訳ですので、文字データが真っすぐ正体だと奥が広っちゃうので、元データを奥が狭く手前が末広がりに作る必要があります。レーザー打刻機のソフトウェアは自動的にその角度を決めてくれますが、、、、、、
レーザー照射角を変える=文字データの自動補正データも書き換える=つまりオリジナルのレーザー打刻機にオリジナルのソフトウェアを1台限りで、、、、推定見積額300万円以上・・・・既製品レーザー打刻機80万円。
お客様に1文字1000円頂くとして・・・・I LOVE YOUの8文字で8000円も頂けませんわな・・・・・。Philip College Ringのお客様の打刻文字数の平均は20文字ですので、打刻するオプション料金を2万円も頂かねばなりません・・・・。これ、市場価格と比べて10倍程割高です。
ってなワケで未だにアナログマシンを使い続けているのです。
さて、次回がタイトル通りに2台目のマシンを紹介しましょう。