ホルムズ海峡

東海道・山陽新幹線内においてある雑誌「Wedge」。

 

アッパーミドルのビジネスパーソン向け総合情報誌ですが、発行は国鉄民営化直後の1989年と30年の歴史があります。東海道新幹線は大阪・名古屋・東京の3大都市を結んでいますので、ビジネスマンの日帰りも含めた出張需要は巨大ですので、このような雑誌を作っているのでしょう。

 

ビジネスマン向けなので保守寄りの論調となり左翼系の人々からは嫌われていますね。ワタクシは好きな雑誌です。

 

8月初旬、用事で名古屋に行く際に新幹線内でWedgeを読み、ある記事が目に留まりました。

イランと米国の対立激化に伴うホルムズ海峡危機。

著者は住友商事出身で現在は常葉大学経緯学部教授の山本隆三氏。

 

この記事を読むと、かれこれ44年前に堺屋太一が書いた「油断!」を思い出します。「油断!」は、フィクションですが中東で戦争が起こり、世界各国向けのタンカーがホルムズ海峡を安全に通過出来なくなり、世界中で石油不足が起こり、特に原油依存度が高くて、備蓄も少なかった日本が大荒廃するというストーリーです。

 

アラビア半島とアジア大陸の隙間ですね。UAEとイランに挟まれた狭い海峡。

 

記事にホルムズ海峡の幅は33㎞と書いてあります。

えっと、、、Googleマップで調べました。

相模湾の幅は40㎞。つまりホムルズ海峡は相模湾の入り口より狭いんですね。三崎港や城ケ島に行くと、対岸の伊豆半島は目の前に見えますからねーーー。

 

伊勢湾の一番広いところがちょうど33㎞でした。

 

たった33kmの狭い海峡を巨大なタンカーが年間3500隻も通過するそうです。そのうち約500隻は日本向けタンカー。この海域でドンパチ始まれば、日本にとってはフィクションじゃなく「今、そこにある危機」です。

 

 

記事によると、2019年現在、日本のエネルギー源の40%は原油。その87%は中東産。天然ガスの中東依存度は約30%。米国商工会議所作成の「世界各国のエネルギー安全保障度ランキング」によると、エネルギー消費上位25か国中、日本の安全保障度は最下位の25位。

 

「安全保障度が低い」=つまり、戦争紛争が起きた時、日本のエネルギーは先進国25か国中で最も問題が発生するという意味です。

 

 

日本のエネルギー自給率は原発停止により現在9%と1割未満。大震災前は自給率50%近くでした。

 

記事でも、ここが大問題だと主張しています。

ワタクシもそう思います。

 

安全保障とは「いざという時の為」という保険と同じ概念です。生保、損保、自動車などの保険は熱心に掛けるが、安全保障は知らん・・・は論理矛盾。

 

記事の締め論は、やはり原発の安全性強化と再稼働のみが現実的な解決策と論じていました。

フィリップ カレッジリング

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