2019Xリーグの見どころ

Philip College Ringが日本のアメフトを応援すべく8年間行っている【アメフトに行こう!プロジェクト】に、開幕に際して今シーズンの【Xリーグの見どころ】をオービックシーガルズ・ゼネラルマネージャーの大橋 誠氏に寄稿頂きました。
 
 

<大橋 誠氏プロフィール>
オービックシーガルズGM(ゼネラルマネージャー)現職
オービックシーガルズHC(2000-2015)
日本アメリカンフットボール協会強化育成委員(2016~)
第5回U-19世界選手権ヘッドコーチ(2018)

 

いよいよ2019Xリーグが開幕します。

 

今季の最重要ポイントは何と言ってもDIVISIONの再編成でしょう。X1 SUPER(8チーム)とX1 AREA(12チーム)に分割した新リーグは、文字通りのトップリーグ体制。8チームでの総当たり完全決着による総合順位決定、そこからのプレーオフトーナメントを経てチャンピオンを争う、シンプルで判りやすい大会方式になりました。

 

また、チーム数が絞られたことで、それぞれのチーム力が均衡し、毎試合が激しい接戦必至の戦いとなること間違いなしです。とにかく、本当に面白いリーグがスタートします。

 

一方、戦う側としては、接戦を制し続けるため、シーズンを通しての戦略を緻密に準備することはもちろんのこと、チームコンディションを維持する工夫が大切になってきます。チームへの負担を鑑み、今シーズンは試合間隔が必ず2週間あくスケジュールになっていますが、それでも、リカバリーは容易ではありません。フットボールをうまくこなせるかもそうですが、肉体的・精神的なタフネスの差が、如実に見えるシーズンになりそうです。

 

 

昨年シーズンイン前に、ランニングアタックがポイントになるとお話ししましたが、まさしくその通りに戦いは推移しました。結局、ランプレーを安定して展開することのできた富士通フロンティアーズがリーグを制し、偏りのないオフェンスが安定した結果を残すことを証明しました。

 

アメリカ人QB来日以来、パスからゲームをつくっていくチームが目立ちましたが、これからはランプレーをうまく使い、フィールドと時間をコントロールしようとするチームが増えていくでしょう。それを受けて、OLユニットとRBを中心としたタイトチームの強化に乗り出しているチームが多く見られます。

 

今季の優勝争いは、昨季以上にグラウンドアタックの重要性が増すと思われますので、1RBでフィールドを広く使うフォーメーションばかりではなく、TEやFBを駆使したタイトなフォーメーションから繰り広げられる、激しいランプレーを楽しむことができそうです。フットボールらしい(ある意味懐かしい)プレーを堪能できるのではないでしょうか。

 

 

 さて、我々オービックシーガルズですが、春シーズンからこの夏に渡って、ランニングアタックの強化と、ランストップの徹底を図ってきました。

 

オフェンスで言えば、OLを中心にいかにダイナミックにボールを前進させるかをテーマに、5人・6人・7人が一体となってブロッキングを遂行できるように練習を積んでいます。バライティーに富んだRB陣はもちろんのこと、走力のあるQBも揃っていますので、彼らの能力が最大限発揮できるように、皆が体を張ることが重要です。その意味で、タイトユニットは楽しみにできる状態まで仕上がってきています。

 

また、ディフェンスサイドでいくと、ランストップに関して、それぞれがどのように動くのかを、繰り返しシミュレーションしてきました。今では共通認識の深度がかなり進行し、緻密なディフェンスが実行されています。こちらもかなり楽しみであります。

 移籍組を含め、過去最多とも言える新戦力を迎えた今シーズンですが、地村新キャプテンが、エネルギーを十分に発揮してくれ、若いプレーヤーを中心に結束力が高まっているように感じます。若いプレーヤー達がチームを牽引することで、新人選手達も自然と自己主張できる雰囲気になっており、いつにも増して活気のあるチームに成長していますので、この勢いも一見の価値アリというところでしょうか。

 

 リーグの改変を受けて、数々のチームが戦力を含めた、一層の強化に努めています。これはX1 SUPERに限らずX1 AREAでも同じです。サバイバルの様相が色濃くなった分、本当にエキサイティングな試合が見られるシーズンになります。何よりも、我々、オービックシーガルズの応援をお願いしたいところですが、それを差し置いて、是非とも新Xリーグをご覧いただきたいと思っております。

 

真のトップリーグ、全戦決戦。ご期待ください。

 

オービックシーガルズGM 大橋 誠

フィリップ カレッジリング

コメントを残す