サッカーファンとラグビーファン

7/18讀賣新聞朝刊の小さなコラム記事。

サッカー日韓W杯の時は、会場そばの商店街は閉店し、新幹線も酒類販売中止だったとの事です。これは酒を飲んで暴れる英国をはじめとする欧州サッカー伝統のフーリガン対策だったそうです。

 

対して、今年秋に行われるラグビーW杯ではその心配が全く無く、逆に決勝・準決勝が行われる横浜スタジアムから中華街などの横浜中心部の繁華街でシャトルバスが運航され、中華街が深夜営業を予定しているという記事。

 

以前、ラグビー発祥に関するブログで記載したように、サッカーは暴力的な祝祭フットボールが起源で一般大衆向けに広まったのでファンも乱暴者が多く、ラグビーは英国のエリート校を中心に発展し「ノーサイド」という戦い終われば敵味方関係無しの精神から紳士のスポーツという事が起因する一種の文化でしょう。

 

 

この記事で感じることがありました。

 

ある海外スポーツが日本で広まる時、その先進国の習慣などを良いも悪いもごっちゃまぜにして真似する傾向があるなと・・・・。

 

良い点は真似ましょう。全く賛成。

フーリガンなど悪い点まで真似る必要あるのか?

 

「スポーツ観戦の文化」がありますね。サッカーファンの文化、野球ファンの文化、ラグビーファンの文化。それぞれ大事にすべきですが、先のフーリガンまで文化にする事は無いですね。

 

 

ワタクシが子供の頃、プロ野球のスタジアムは荒れていました。

昭和40-50年代です。

 

特に料金が安く、選手に近い「内野自由席」というエリアは、土方のオッチャンとか町のチンピラみたいなのが溜まり、瓶ビール片手に敵味方関係なくヤジを飛ばしていました。エラーが出たり、チャンスで凡退したりすると応援するチームの選手なのにビール瓶を投げつけたり・・・・試合に大負けすると、「監督を出せ~~」「監督辞めろーーーー」とか、試合後も騒いでいました。

 

そしてホーム席とビジター席は相互通行禁止。暴力沙汰になるからです。これ、日本独特の文化だったようです。でも、それでは健全な興行としてスポーツが成り立ちません。

 

 

MLBでは昔から「ファミリー観戦」が主流です。

 

Take Me Out to the Ball Gameという歌があります。1908年リリースで、女の人が主語で「わたしを野球に連れてって」という歌詞。アメリカでは100年以上前には旦那が奥さんや子供達を連れて野球を観る家族連れの娯楽という文化が確立していた訳です。

 

でもなぜか昭和の日本のプロ野球は荒くれ者が観客でした。(もちろん全部じゃありません)

 

こうした荒くれ者ファンの悪影響で観客動員数が低下した1980年代以降、プロ野球各球団は地道に努力を積み重ね、今ではTake Me Out to the Ball Gameどころか「カープ女子」「タカガール」など女性が自ら観戦に足を運ぶようになっています。結果、パリーグを中心とした球団は観客動員数を増やし続け、増収増益し、ビジネスとして娯楽として成り立ち根付いています。

 

昭和の時代と違いプロ野球の地上波放送が少なくなっていますが、元々フランチャイズ制のスポーツリーグが全国地上波放送ってのもおかしな話。フランチャイズ地域で圧倒的な視聴率があれば良い訳ですから、地上波なら地元放送局、有線放送、もしくはネット配信が馴染むものです。

 

プロ野球は「パリーグTV」や「楽天TV」、サッカーは「DAZON」、バスケは「バスケットライブ」、他にスパカーやBS、そして地元局が熱心にリーグ戦を放送するようになっています。

 

 

ある海外スポーツが日本に根付き、発展するためには運営側やメディアの努力が欠かせないという事ですね。サッカーもバスケもラグビーも、まだまだこれからです。

 

今でも一部のJリーグクラブのサポーターは「昭和の観戦」をしているようですが、早くやめましょうね。

 

フィリップ カレッジリング

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