主にチャンピオンリングのロゴなどの着色に使用するエナメル。
ハードエナメル(七宝焼き)とソフトエナメル(着色樹脂)の2種を使い分けます。
今回、あるロゴマークの為に数種類の七宝をテストする事にしました。
実際の発色を確かめる為に計10種を50gづつサンプルで取り寄せました。
七宝は透明感があって綺麗なのですが、用途が限られます。
チャンピオンリングなど大型リングのトップに使用する場合のみですかね。
粉上の釉薬を約700°cのオーブンに1分弱入れると液状化して冷えると固まりますが、ご覧のように七宝の釉薬(ゆうやく)は、粉状ですのでリング側面(サイドパネル)は湾曲しているので盛ることが難しいのです。
それと、シャンルベ(凹みに盛る技法)かクロワゾネ(金銀の細い線で囲いを作り、中に七宝を盛る技法)となりますので、ある程度の面積も必要なのです。
また、七宝はガラス質なので落とすと割れます。一種の飾り物のチャンピオンリングにはOKですが、日常着用するカレッジリングには不向きと言えます。従って七宝よりもソフトエナメルとも呼ばれる着色樹脂の方を多用します。
七宝の原料は二酸化ケイ素。
鉱物です。
エナメルは、中東が発祥。シルクロードを伝い、中国経由で日本にも伝来したそうです。エナメル技法が最も発達したのはフランス。従って、エナメルの技術用語はほとんどがフランス語です。フランス、中国、日本などで七宝釉薬を作っていますが、最も品質が評価されているのは日本製七宝釉薬です。Philip College Ringも七宝釉薬は国産を使っています。