トランプ語録に異議

先日の読売新聞の記事です。

アメリカのドナルド・トランプ大統領にAP通信社がインタビューした記事。

 

「企業経営と大統領職について」がインタビューテーマ。

見出しは「政治はハート」。

なるほど、政治はハートですよね。

 

でも記事をよく読むと、、、

「不動産業で学んだ手法が通じなかった事は?」の質問に対して、「ビジネスは必ずしもハートは必要ではない。しかしホワイトハウスで(の決定)は、ほぼ全てが人々(の生活)に影響する。」と答えています。

 

う~う~、、ホワイトハウス=大統領府=国家の最高意思決定機関での決定全てが、その国の人々に影響するのはそうでしょうね。日本でも、総理大臣公邸や国会議事堂での決定は、私たちに影響があります。

 

しかし「ビジネスには必ずしもハートは必要ではない」には、強烈な違和感と異議を!!

 

確かに、金融・証券・不動産という業種では「ハート」は必要無いでしょう。

上がるか下がるか?

儲かるか儲からないか?

プラスマイナスのみが判断基準の業種ですね。

 

しかし、それらは総じて「虚業」と定義されるビジネスで、製造業やサービス業、流通業など圧倒的大多数業種の「実業」のビジネスの概念ではありません。

 

モノ作りには、動機と情熱が必要です。

儲かるから・・・だけで作っているモノは売れません。

某国で、床に落ちた肉や腐敗した肉を加工食品事件や、赤ちゃん用粉ミルクに保存性を高める為に危険物質を混入したりした事件は、作り手に「ハート」が無いと言えます。でも、そんな作り手は少数派です。自動車、電気、建設建築、家具、被服、雑貨、なんでもモノ作りに情熱を持って作っている者だけが生き残ります。

 

ホテル・レストランなどサービス業から「ハート」を取ったら、何になるのでしょう?

「おもてなし」は、ハートのある人間だから出来ます。

 

卸売り、小売り、物流など流通業も、全て「人」が介在します。

 

昨今の宅配便業界の問題も「ハート」の問題です。

運ぶ人々は機械ではありません。人間です。

 

いくらIT技術が進歩し、顧客からの注文が瞬時に処理され、オートメーション化された倉庫で瞬時にモノがピックアップされたとしても、積み込んで、道路を走って、車を停めて、モノを下して、モノを持って、顧客宅に伺うのはハートを持った人間です。

 

「日本ならではの繊細な物流サービス」は、ITやIOTの発展が成し遂げた事ですが、モノ運びは人が支えているのです。この人の「ハート」を無視したサービスは、いつか破城します。

 

 

まあ、トランプ大統領にモノ申してもしょうがないですけど、「ビジネスは必ずしもハートが必要無い」は大間違い!!!

 

フィリップ カレッジリング

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