ライスボウル王者は富士通フロンティアーズ

1/3東京ドームで行われたアメリカンフットボール日本選手権:ライスボウルの今年の勝者は富士通フロンティアーズでした!!

 

なんだか、毎年入場者数を更新して、ほぼ満員になるライスボウルです。

今年は主催者発表で33500人。

関係者パスなどを加えると35000人はいたでしょう。

大盛況です。

 

でも、この大盛況と裏腹にライスボウルの仕組み自体に見直しの必要性を感じるゲーム内容でした。

富士通 30 vs 13 関西学院ファイターズ の点差以上に富士通の圧倒という内容。1Qから3QまでコンスタントにQBコービーキャメロンの見事なロングパスTDが決まり、3Q途中では30 vs 0 の場面もありました。

 

QBキャメロンとRBジーノ・ゴードンのアメリカ人攻撃陣2人が目立つのは目立ちますが、Xボウル決勝のオービックシーガルズ戦でも感じたのは、富士通のディフェンスチームの素晴らしさです。学生有数のQB、関学伊豆選手に全く仕事をさせません。これ、XボウルのオービックQBニューハイゼル・QB菅原俊に仕事をさせなかった場面とカブりました。

 

でも関学も3Q後半と4Qは意地を見せ、2TDで13得点をしました。対して富士通は、4QにはQBをキャメロンから平本選手にチェンジ。ほぼ4Qスタート時点からビクトリーフォーメーション気味に進めたものでした。

 

試合終了後、完敗を受け、痛切な表情で応援団に御礼を言うファイターズの面々。

 

多くの負傷者が出たファイターズですが、副将のOL#73松井選手は松葉杖で立っているのがやっとの状態。

 

2009年に立命館大学パンサーズがパナソニック電工インパルスに勝って以来、学生の勝ちはありません。関学は、学生選手権では圧倒的な強さを見せ、この10年間で6回もライスボウルに出場するも1度も勝ち無し。。。遡ると2001年にアサヒ飲料チャレンジャーズ戦に勝利して以来15年。

 

ライスボウルが始まった1980年代は、学生側が圧倒的な強さでした。京大ギャングスターズ、日大フェニックスがレナウンローバーズやアサヒビールシルバースターをことごとく破っています。1990年代-2000年台は、学生と社会人の勝ちがほぼ均衡かやや社会人の勝率が上回る程度でした。これは、当時の社会人チームが「会社員」であり、平日は企業サラリーマン、週末に練習と試合・・・というXリーグチームに対して、毎日練習の学生側が有利だったと言えます。

 

2010年代に入ると、従来の実業団チーム編成だったXリーグのチームの多くがクラブチーム化しました。それに伴い、外国人選手が導入され、NCAAで活躍したり、NFLドラフトに名前が載るほどの選手がXリーグのチームに入団。この外国人選手増加にほぼ比例する形で、ライスボウルの勝率が学生側から社会人側に移行していきます。

 

2000年から2009年の10年間、学生側勝ち4回。

2017年から2016年の10年間、学生側勝ち1回。

2010年から今回までの7年間、学生側勝ち0回。

 

今回の富士通も、オフェンスの要 QBとRBが外国人。ディフェンスの要、DBとLBも外国人と、常にフィールド上に2名づつの外国人選手がいる状況でした。

 

しかし、Xリーグのリーグ戦においては、各チーム互角の戦力なんです。

 

オービックも昨シーズンからQBに外国人を配しましたし、ライスボウル4連覇の原動力になったのはアマチュア全米代表のBJ(バイロン・ビーティー・ジュニア)とKJ(ケビン・ジャクソン)の強力ディフェンス陣。

 

IBMビッグブルーのQBは名門UCLA時代に名選手と言われたケビン・クラフト。ノジマ相模原ライズには、NFLペイトリオッツに入団するか?の段階までなったミシガン大のQBデビン・ガードナー、エレコム神戸にはアイオワ大の名RBジョーダン・カンザリなどが在籍しているので、熾烈なリーグ戦を勝ち抜くには各チームとも外国人選手の確保は不可欠ですし、それによってXリーグだけではなく、日本アメフト界のレベルアップが図られているのは事実です。

 

プロ野球、Jリーグ、Bリーグ、ラグビートップリーグを見ても、「外国人助っ人」は標準です。

 

しかし、30年前に出来たライスボウルの制度は、この状況を想定していません。そろそろ制度疲労でしょうか?

 

しかし、この外国人選手を含めてレベルアップしたプレイが人気を博して、ライスボウルの入場者数は増え続けています。学生側の観客も同じく。関学など出場大学チームのみならず、学生リーグで関学に敗れた早稲田や立命などの選手やOB達が、外国人を要する社会人チームに「金星」を挙げるのを願って、東京ドームに足を運んでいるのです。

 

「ライスボウル不要論」になる前に、日本のアメフト全体がもっともっと発展するために手を打つ時期かもです。

 

 

さてさて、お約束のチアのオネーチャン写真!!!

ゲーム開始前、フロンティアーズのチアは法被姿。

でも、ゲーム中は法被無し。

 

 

そしてもう一つのお約束、ライスボウル・チアのオネーチャン達と記念撮影!

フィリップ カレッジリング

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