カレッジリングは工芸品ーその4

前回は、指サイズによるサイドパネルの縦寸法の違いを説明しました。
こんどはネーム入れ。

左はRYO 3文字。 SOUTA 5文字。 TADASHI 7文字。

マイクロソフトのオフィス系ソフト(Excel  Word  PowerPoint)を使って、資料を作ったりしたことがある人ならわかりますでしょう? 「フォント」の調整です。 同じ書体でも、太さ(ボールド) 文字幅 文字間 を調整しなければなりません。
単純に文字数で調整するのではありません。アルファベットでも、I(アイ) とM(エム)では使う幅が違ってくるからです。
これらネームや年号の挿入は、Inserts(インサーツ)と呼びますが、これらは完全に勘で行います。そりゃコンピュータにソフトを組み込んで自動調整させる方が精度が高いでしょうね。。。でも、ITに投資しても、結局は金型は手彫り。意味無し。
ワタクシ、全機械化の試算をしたことがあります。
フォント調整やマークのトレースなどを自動化するCAD兼グラフィックソフトウェアの開発・・・・約500万円。3Dプリンタで金型彫り・・・現在の3Dプリンタは、ワックスや石膏など柔らかいものしか彫れません・・・独自開発するとなると数千万。。。。研磨ロボットによる自動研磨・・・動作ソフト含め約1千万。自動石載せロボットの開発・・・・う~う~、2-3千万は確実。
こうすれば、完璧な近代工業デスね。
これらの設備投資を減価償却化して料金に上乗せさせて頂いて、そんでもって、サイズ違いによる顔の違いを避ける為に、1号づつ全て金型を起こす・・・・1本毎に3-5万円の追加料金を頂く。ざっと計算してシルバーのスタンダードモデルのカレッジリングで1個20万円からを頂戴する事になります。。。。
ナンセンス・・・
家内制手工業が一番という結論になりました。
このシリーズ、終わり。

フィリップ カレッジリング

コメントを残す