最近、最も苦労した御品:K様ご夫妻ウェディングリング

 この所お作りさせて頂いた品で、最も苦労したK様ご夫妻のウェディングリング。
とっても製作に時間が掛ってしまい、K様にもご心配をお掛けした品です。
 
まず最初にお問合わせ頂いたデザインご指示と素材を拝見して、少々めまいが・・・・下の画像のセント・バレンタインとご結婚記念日の文字を彫り込みたいとのご要望。反対側には、両家の家紋とお誕生日(なんとお二方はお誕生日がまったく同じだそうです)を、との事。

これらの微細なデザインや結婚記念日、誕生日などの文字数字を入れられる・・・という事で、一生物のウェディングリングをカレッジリングで・・・・という事なので、ガンバラざるおえません!!

 
まずは、リングの型を標準的なカレッジリングでは無く、ヨーロッパスタイルの「ユーロモダン」をお勧めしました。これなら広い彫刻面が確保出来ます。
 
数々の家紋を彫ってきましたが、二つの家紋を片方のサイドパネルに・・・は初めて。でも、図面を書いてみて、「これなら大丈夫・・・」と思いました。セント・バレンタインの微細な彫刻も、図面化しながらどこを線に、面に、凸凹に・・・と書き進んでいくうちに、これもOKだな・・と。

そこに大問題が、、、奥様の指サイズがとっても小さく9号!!!10号未満!?

ユーロモダンリングのトップの直径よりもリングホール(指穴)の直径が小さくなってしまう=製作不可能!?熱心にデザインや型のご相談を頂いたK様に、これでは申し訳ない!と考え、レディース用の一回り小さなマザーモールド(原型)を作る事を決意しました。
 
ご家紋や特殊な書体の彫刻なので、通常よりも時間がかかりましたが、メンズリングの方は鋳造までうまくいき、石載せするだけ、、となりました。

鋳造後、ホワイトゴールド加工前のメンズリング

 ところが、、、、一回り小さなレディースサイズの原型だと、細かなセントバレンタインの彫刻がうまく彫れません・・・当方のご提案で「レディース用の原型を製作
しましょう」とご承諾いただのに・・・ペアリングを片方だけお納めする訳には参りませんし、、、茫然自失でした。。。あきらめず、幾度かやり方を変
えながらやってみて、うまくいく方法を発見!

メンズリングには、ブラックダイヤを載せ、キリっと力強く黒美仕上げ。レディースリングには、淡いピンクの天然トルマリンを載せ、上品にナチュラル仕上げ。いずれも14Kのホワイトゴールド仕上げです。


すごく時間が掛ってしまっいましたが、都度進捗をご報告しました所、K様ご夫妻にもがまん強くお待ち頂き、やっと完成にこぎ着けました。そして、お二方ともとても品をお気に召して頂け、仲良くリングを装着したお写真までお送り頂けました。

ご主人のブラックダイヤに黒美仕上げと奥様のピンクトルマリンにナチュラル仕上げのコントラストが、とっても印象的です。

フィリップ カレッジリング

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