カレッジリングの仕上げの一種「ガンメタル仕上げ」は、ミリタリー系リングなど力強いデザインのリングに人気の仕上げです。そのガンメタ仕上げの仕様を変更する事にしました。
従来、ガンメタル仕上げは特殊な硫化剤でシルバーを変色させる仕様でしたが、シルバーそのものの硫化作用(一般的には酸化と認識されている)を利用した黒
色でした。
ただ硫化作用は環境変化により作用が変化するので、お客様の着用環境によって色が薄くなったり、濃くなったりと安定しない事もたまにありました。
先般、新たな問題が発生!!!取引先さんにお渡ししたガンメタ仕上げのサンプルリングのセンターストーン脇が納品後に変色!!??
一回目は、「????仕上げが甘かったかな???」と再度ガンメタ加工を施して再納品。
ところが再び同じようになっちゃった???!!!!
ナンデ?ドーシテ??
またまたガンメタを剥離して、再々加工して、自分のパソコンデスク脇に数日間置いて、毎日横目で観察しました。
なんと1週間後にセンターストーン裏側に入り込んでいた硫化液が水滴になって浸み出してきたではありませんか!!!!そのまま観察したら、液体が乾燥するにつれ、その部分が白濁。
そうか!!この液体は、完全な硫化液ではなく、硫化剤に浸漬した後、超音波洗浄機の真水で長時間洗浄していたので、薄まった希硫化液体だったのです。
これはナントカシナクテハ・・・・・・・・・・
またまたワルイアタマをフルカイテンでオベンキョ・・・・
♪発見♪
「ルテニウム」(ruthenium)
原子番号44元素
元素記号 Ru
白金族
プラチナの一種です。
以前、スヌーピーの商品プロジェクトで、耳や鼻の黒い部分の仕上げを海外メーカーの社長と打合せしていた時、「黒色で最も美しく安定する仕上げはルテニウムのメッキだ。でもとっても高価になるので、スヌーピーの小さな耳や鼻の仕上げにはモッタイナイ・・・」と言っていた事を思い出しました!
早速、メッキ材料としてルテニウム水溶液を探します。
ナカナカ見つかりません。。。。
Why???
ようやく見つけたら、日本では「ブラックロジウム水溶液」という和製英語の商品名で、ごく極少量流通していました。HDD(ハードディスクドライブ)や触媒などのメッキに使用されているようです。
おまけにワタクシの持っているフツーのメッキ浴設備では加工不可能。。。。。。塩化物やシアン化化合物とともに500℃以上の高温でメッキ浴させる必要ありだったんです。。。。。
う~、う~、う~・・・・・
【続く】