オキシドール

シルバーやゴールドをバーナーで火入れした後、表面が灰色・黒のカーボンが付きますが希硫酸に浸漬するとカーボンが取れます。

 

でも、たまーにですが希硫酸に浸漬した後、ピンク色になっちゃう時があって、困っていました。アルカリに漬けても、有機溶剤でもダメなんです。。。。薄いピンク色。

 

発生頻度も低いので諦めてました。

 

 

ある時、ネットで調べものをしていたら「金属表面の酸化処理に過酸化水素水を加用する効果について」という学術論文のタイトルが目に留まりました。。。

 

ピーンときました!!!

 

金属加工関係の資料をネット検索すると続々と出てきます。

 

「過酸化水素水 金属 腐食 酸化 表面処理・・・・・・」

 

 

火入れ後のピンク色は、どうやらカーボンが変質した鉄分などが薄い表面被膜を作っており、適切な濃度の過酸化水素水で表面処理すれば、母材を溶かすことなく、ピンク色などの表面被膜を除去できるとあります。

 

 

そういえば、過酸化水素水は濃度が濃いと鉄・アルミ・シルバーなどを溶かす力があるんだった!

 

どんな濃度がいいのか色々調べました。3-5%のようです。今度は3-5%の過酸化水素水を買おうとネットで検索すると、続々とオキシドールが出てきます。3%水溶液がオキシドール!!!

 

 

早速、近所の薬局で購入して、試しました。

以前、火入れして薄いピンクというか赤が残っていた古いシルバーチェーンを浸漬。

きれいになりました!!!

 

オキシドールは、Philip College Ringの新兵器の一つになりました。


【2020.10.19 Monday 07:14】 author : 管理人(Philip College Ring) | 彫金技術・工具紹介 | comments(0) | - | - | - |
板状のオニキスに穴あけ

Philip College Ringのレディーメイドモデルで人気のある「USネイビー1940'sオールドスタイル・カレッジリング」があります。

現代カレッジリングの主流の大粒の人口宝石が開発されたのが1970年代なので、それ以前はソリッドトップと言うトップにも彫刻のあるスタイル(以下)か、このUSN40sのように加工しやすいオニキスやタイガーアイ・ターコイズをセンターストーンにするスタイルが主流でした。

 

↓↓↓↓↓典型的なソリッドトップ2種↓↓↓↓↓

オニキス・タイガーアイ・ターコイズなどの半貴石はアメリカ大陸でもかなりの量が産出された事とともに、硬度5-6と他のカラーストーンの硬度6-9と比べて柔らかく、様々な形状にリカットしやすい事もカレッジリングに多用された背景にあります。

 

USN40sのデフォルトはプレート状のオニキスで、更にシルバーに金メッキのアンカー(錨)のエンブレム付きで50,000円(税込)です。

 

ショッピングページ↓↓↓↓↓

https://www.philip-collegering.com/main/ww2rings/#usn40

 

このプレートオニキスにエンブレム用の穴を開ける作業が結構難易度が高いのです。厚み1.5mmのオニキスはデリケートで割れやすいのです。

 

そのオニキスの穴あけ作業を解説付き動画にしました。約3分。

↓↓↓↓↓

 


【2020.09.23 Wednesday 08:07】 author : 管理人(Philip College Ring) | 彫金技術・工具紹介 | comments(0) | - | - | - |
ある日の作業台シリーズ

この日の作業台にはカレッジリングじゃない普通の指輪があります。

仕事を断れない大得意さんから頼まれた結婚指輪です。この手の指輪はパイプ状のワックスを切って、面取りしてロストワックスキャスティングのキャスト屋さんに外注するだけ。後は打刻やロジウムメッキを張って出来上がりです。

 

 

大学の弓道部OBグループからのお揃いカレッジリングもあります。アメフトやバスケなど海外スポーツではなく、純和風武道部からのご注文は珍しいです。ありがたい事です。

 

 

18Kのラージモデルもあります。石留めの時に意図せずタガネが石に当たってしまったようで、ルーペでしか見えない「欠け」が出ちゃいましたので、1時間程かけて欠け取り研磨しました。サンドペーパーの1000番→#1500→#2000→#3000→#5000→#7000と根気よく磨きました。


【2020.09.09 Wednesday 09:32】 author : 管理人(Philip College Ring) | 彫金技術・工具紹介 | comments(0) | - | - | - |
またもや新兵器!ドリルプレス

またまたふと思い立って、新兵器を購入。

 

FORDOMのDrill Press=FORDOMのハンドルーターを垂直に固定して上下させるホルダースタンドです。

 

石にエンブレム用の穴あけをする際に使おうと思います。従来、エンブレム装着の際の石への穴あけはドリルをフリーハンドで持ってやっていたのですが、薄いプレート上の石に穴あけしようとしたら、立て続けに2個失敗したのです。

 

宝石類は硬度7とか8とか、非常に硬く、且つオーバルファセットなどカレッジリングのセンターストーンに使う石は厚みもあり、強固なのでドリルでダイヤモンドドリルでグリグリすれば穴が開きます。しかし、オニキスなど硬度5-6の石で薄いプレートは同様にすると割れちゃうんです。

 

↓↓↓↓↓ダイヤモンドドリル=人工ダイヤが刃先についているもの

 

 

失敗には原因があり、対策があります。

 

数日考えました。何人かの同業仲間にも聞きました。

 

解決策が二つ出ました。その内の一つがこのドリルプレスです。

 

 

 

FORDOMのハンドピースをセットするとこうなります。↓↓↓↓↓


 

これならブレる事なく、完璧な垂直上下動になり、薄い石でもドリル接地面のみにブレることなく力がかかります。

 

 

原始的なメカニカルな器具は、きちんと手入れする事で何十年も使えます。

稼働・摩擦部にはCRC潤滑剤を塗っておきます。

 

そしてお得意のカスタマイズ。

 

まず、2段あるトレイの上部にハンドピースホルダーが「がちん」と落ちて当たるので、その部分に油性パテを置いて緩衝材にしました。

これでハンドルを緩めて、ちょっと手を離した時にハンドピースホルダーが「がちんこ」落下して全体を傷める事が無いでしょう。

 

そしてハンドピースホルダーの締め具の六角レンチが取りやすいよう、無くさないよう、作業の邪魔にならないような場所に、段ボールで専用ホルダーを作りました。

ワタクシ、右利きなので向かってレンチが取りやすいよに右側上部につけたのです。

 

 

でも、、、

 

問題は、、、、

 

スペースが・・・・・無くなってきています。。。。


【2020.09.02 Wednesday 07:28】 author : 管理人(Philip College Ring) | 彫金技術・工具紹介 | comments(0) | - | - | - |
新兵器:アメリカ製彫刻台

またまた趣味の新兵器を購入しました。

アメリカ製の多機能彫刻台です。

輸入商社さんに依頼したのは今年の4月。3か月ちょっと待ちましたがようやく納品されました。今まで使っていた国産の彫刻台は左の一回り小さいもの。

この米国製彫刻台の特徴は二つ。

 

一つ目は、圧倒的に重たいという事。Philip College Ringのカレッジリング・チャンピオンリングは一般的な指輪の3-10倍もの重量があるので、それに負けない土台の方が、モノが安定して力を入れて作業出来るのです。

 

二つ目の特徴は、トップのピンホール(差し込み穴)が多数ある事。

 

付属のピンをこんな風に差し込んだり↓↓↓↓↓

別の位置に差し込んだり↓↓↓↓↓

 

いろんなモノが固定出来ます。

ピンは12本ついているので、多角形のモノも固定可能です。

 

もう一つ予想しなかった機能がありました。薄型で強力な磁石、ネオジム磁石付きのプラスチック製ホルダーが付いていました。

鋼鉄製の「はさみ台」で器具を固定すると、固定具がキズついたりするのを防止する機能です。

写真映えがする作業があった時に実際の使い方をご説明しますね。

 


【2020.08.26 Wednesday 07:47】 author : 管理人(Philip College Ring) | 彫金技術・工具紹介 | comments(0) | - | - | - |
新兵器!!大成功!!!

珍しくクレームを頂きました。

 

「コロナ前に納品してもらったチャンピオンリングだが、3か月後に選手に渡したんだけど変色してるんだよね・・・」

 

本来なら納品直後に贈呈されるはずのチャンピオンリングが、コロナ禍による開幕延期で3か月間も梱包されたまま倉庫に保管されていたそうです。

 

 

それを伺った時の直感・・・・「もしかしたら残留酸かも??」

 

 

貴金属は鋳造後に「酸浸漬」をしてカーボンを除去します。鋳造直後の熱い状態で希硫酸にどぶ漬けするので、ス穴内部に希硫酸が入り込み、なかなか除去できないので、アルカリ液に漬けたり、有機溶剤洗浄したり、超音波洗浄したりするのですが、まれに酸性物がス穴奥深くに残留している事があります。

 

 

 

品物を送って頂いたら、やはりそうでした。

汚れのような被膜を綿棒で取り、青リトマス試験紙に付けると赤になりました。

アルカリ洗浄と電解洗浄で問題は解決し、再納品したところ「別物みたいに綺麗だね」とご納得頂けました。

普通なら、納品後に開封し、着用したりして空気に触れれば揮発するレベルしか残留していないものなんですが、今回は想定外のコロナ禍で、密閉性の高いウッドとガラスの特注リングケースをエアキャップ(ぷちぷちの緩衝材)で包み、段ボールに梱包した密閉状態で3か月間保管されていたので、微量の残留酸が染み出して、地金表面やダイヤの裏側に酸特有の薄い青紫被膜を形成してしまい、地金や石が濁って見えてしまったのです。

 

 

想定外のコロナで想定外の長期保管に、確率として非常に低い残留酸が悪さした訳です。しかし想定外とはいえ残留酸を完璧に除去出来ていれば起きない問題でした。

 

生鮮食品じゃあるまいし「納品したらすぐ開封してください」ってのもヘンですよね。。

 

 

なんかいい方法はないもんか???????

 

しっかり洗浄するしかないか???でも今回もしっかり洗浄してるし・・

 

 

 

 

良い考えが浮かばず数日経ったある日、テレビショッピングで「真空調理機」を説明していました。厚いビニール袋に食材を入れて脱気して真空にすると食材が長期間保管出来るってやつです。

 

その説明の中で、

 

「食材の場合は余り真空圧を高めて(気圧を下げる)と細胞内の水分が染み出さないよう、食品に適した真空圧になっています・・・」って説明が・・・・

 

 

!!!!”#$%&’(){〜P+**?`+{*??}{*}|*DHJM<L+*>*

 

 

 

ピーンと来ました。

 

 

早速、工具専門サイトで「真空器」を買って実験。

栓を抜いたワインの脱気をする「バキューバン」と同じく手動ポンプで脱気して真空にするものです。

 

問題が起きた同型リングの保管用サンプルを水に浸して乾かして実験。

マイナス0.08気圧まで下げると、、、、

マイナス0.1気圧以下には下がりません。容器が破損するのでそれ以上下げれないのです。それに余り気圧を下げると石が外れちゃうかもですね。

 

この新兵器、活躍しそうです。


【2020.07.20 Monday 07:45】 author : 管理人(Philip College Ring) | 彫金技術・工具紹介 | comments(0) | - | - | - |
新兵器(?)ガーゼ

これ、工具じゃなく・・・・道具???えっと・・・消耗品???

 

でも、とても良いです。医療・介護用の「ワンウェイガーゼ」

貰いもので、「なにかにつかえるかなーーーー???」って思って、工房のストック棚の一番上でホコリかぶってたのですが、先日、400本ものリングの最終洗浄工程の作業中に、ふと思い立って使ってみたのです。

不織布=織ってない布です。今、マスク素材で急激に知名度が上がってますが、医療現場や介護現場、そして飲食業では30年以上前から使われているものです。

リングの後半工程の洗浄では、かなりの回数「拭き」作業があります。ほぼ全てティッシュペーパーを使っていましたが、ある場面ではこの不織布の方がベターな事が判明しました。

 

それは数多くのリングを連続して拭き作業する際に、ティッシュだと水分を吸ってしまい、またすぐ破れてしまう場面をこの不織布ガーゼで代用すると、作業時間の短縮と仕上がりも綺麗で、コストの節約にもなるのです。

この不織布「ワンウェイガーゼ」、あまりお安くありません。1箱200枚入り1300円です。ティッシュペーパー1箱150枚入り50-60円と比べるととても高いですね。でも、連続作業時には6.5円相当の1枚の不織布がティッシュペーパー50枚=17円相当の耐久性があるのです。

 

洗って乾かせば、複数回使えます。

資源の節約にもなるので、Philip College Ringの装備品として正式採用しました。


【2020.07.06 Monday 07:29】 author : 管理人(Philip College Ring) | 彫金技術・工具紹介 | comments(0) | - | - | - |
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