新兵器!!大成功!!!

珍しくクレームを頂きました。

 

「コロナ前に納品してもらったチャンピオンリングだが、3か月後に選手に渡したんだけど変色してるんだよね・・・」

 

本来なら納品直後に贈呈されるはずのチャンピオンリングが、コロナ禍による開幕延期で3か月間も梱包されたまま倉庫に保管されていたそうです。

 

 

それを伺った時の直感・・・・「もしかしたら残留酸かも??」

 

 

貴金属は鋳造後に「酸浸漬」をしてカーボンを除去します。鋳造直後の熱い状態で希硫酸にどぶ漬けするので、ス穴内部に希硫酸が入り込み、なかなか除去できないので、アルカリ液に漬けたり、有機溶剤洗浄したり、超音波洗浄したりするのですが、まれに酸性物がス穴奥深くに残留している事があります。

 

 

 

品物を送って頂いたら、やはりそうでした。

汚れのような被膜を綿棒で取り、青リトマス試験紙に付けると赤になりました。

アルカリ洗浄と電解洗浄で問題は解決し、再納品したところ「別物みたいに綺麗だね」とご納得頂けました。

普通なら、納品後に開封し、着用したりして空気に触れれば揮発するレベルしか残留していないものなんですが、今回は想定外のコロナ禍で、密閉性の高いウッドとガラスの特注リングケースをエアキャップ(ぷちぷちの緩衝材)で包み、段ボールに梱包した密閉状態で3か月間保管されていたので、微量の残留酸が染み出して、地金表面やダイヤの裏側に酸特有の薄い青紫被膜を形成してしまい、地金や石が濁って見えてしまったのです。

 

 

想定外のコロナで想定外の長期保管に、確率として非常に低い残留酸が悪さした訳です。しかし想定外とはいえ残留酸を完璧に除去出来ていれば起きない問題でした。

 

生鮮食品じゃあるまいし「納品したらすぐ開封してください」ってのもヘンですよね。。

 

 

なんかいい方法はないもんか???????

 

しっかり洗浄するしかないか???でも今回もしっかり洗浄してるし・・

 

 

 

 

良い考えが浮かばず数日経ったある日、テレビショッピングで「真空調理機」を説明していました。厚いビニール袋に食材を入れて脱気して真空にすると食材が長期間保管出来るってやつです。

 

その説明の中で、

 

「食材の場合は余り真空圧を高めて(気圧を下げる)と細胞内の水分が染み出さないよう、食品に適した真空圧になっています・・・」って説明が・・・・

 

 

!!!!”#$%&’(){〜P+**?`+{*??}{*}|*DHJM<L+*>*

 

 

 

ピーンと来ました。

 

 

早速、工具専門サイトで「真空器」を買って実験。

栓を抜いたワインの脱気をする「バキューバン」と同じく手動ポンプで脱気して真空にするものです。

 

問題が起きた同型リングの保管用サンプルを水に浸して乾かして実験。

マイナス0.08気圧まで下げると、、、、

マイナス0.1気圧以下には下がりません。容器が破損するのでそれ以上下げれないのです。それに余り気圧を下げると石が外れちゃうかもですね。

 

この新兵器、活躍しそうです。


【2020.07.20 Monday 07:45】 author : 管理人(Philip College Ring) | 工具紹介シリーズ | comments(0) | - | - | - |
新兵器(?)ガーゼ

これ、工具じゃなく・・・・道具???えっと・・・消耗品???

 

でも、とても良いです。医療・介護用の「ワンウェイガーゼ」

貰いもので、「なにかにつかえるかなーーーー???」って思って、工房のストック棚の一番上でホコリかぶってたのですが、先日、400本ものリングの最終洗浄工程の作業中に、ふと思い立って使ってみたのです。

不織布=織ってない布です。今、マスク素材で急激に知名度が上がってますが、医療現場や介護現場、そして飲食業では30年以上前から使われているものです。

リングの後半工程の洗浄では、かなりの回数「拭き」作業があります。ほぼ全てティッシュペーパーを使っていましたが、ある場面ではこの不織布の方がベターな事が判明しました。

 

それは数多くのリングを連続して拭き作業する際に、ティッシュだと水分を吸ってしまい、またすぐ破れてしまう場面をこの不織布ガーゼで代用すると、作業時間の短縮と仕上がりも綺麗で、コストの節約にもなるのです。

この不織布「ワンウェイガーゼ」、あまりお安くありません。1箱200枚入り1300円です。ティッシュペーパー1箱150枚入り50-60円と比べるととても高いですね。でも、連続作業時には6.5円相当の1枚の不織布がティッシュペーパー50枚=17円相当の耐久性があるのです。

 

洗って乾かせば、複数回使えます。

資源の節約にもなるので、Philip College Ringの装備品として正式採用しました。


【2020.07.06 Monday 07:29】 author : 管理人(Philip College Ring) | 工具紹介シリーズ | comments(0) | - | - | - |
新兵器FOREDOMモーターその2

さて、例のごとく英文マニュアルに悪戦苦闘しながらFOREDOMシャフトモーターとハンドピースを組み立てました。

フットペダルも接続

狭い工房にぴったりの空間利用が出来ました。

試運転も良好。

 

ハンドピースにモーター内蔵のハンドルーターと違い、上部に吊るした大型モーターの回転をコード内のシャフトでハンドピース先端を回す機械的な装置なので、スイッチONするとモーター・コード・ハンドピースが「ぶるぶるっ」と動きます。

 

まだこのダイレクトな伝達回転が手にしっくりきません。簡単な作業に繰り返し使って習熟運転します。とにかく「力強い」です。低速でのトルクが半端じゃありません。うかつに扱うとケガしそうです。

 

オマケでついてきた各種先端工具と先端工具用スタンド。

 

この工具スタンド、すごくいい!!!!

くるくる回転するし、裏面に独特のストッパーがついていて、少し端を持ち上げるとスルスル横移動し、並行に置くとゴム吸盤がデスクトップに吸い付いて固定されます。

使ったコト無い先端工具も数種入っていました。よく読んで、試してみます。

しばらくこれで遊べそうです。


【2020.06.13 Saturday 07:42】 author : 管理人(Philip College Ring) | 工具紹介シリーズ | comments(0) | - | - | - |
またもや新兵器!FOREDOMモーター その1

長年使っているハンドルーターからまたまた異音がしてきました。

2-3年に1回ペースで内部のベアリング交換やスプリング交換の時期の知らせです。

このタイプのルーターは、「ハンドルーター」とか「マイクログラインダー」と言って、太いペンのようなハンドピース内にモーターが内蔵されていて、接続したコントローラーで制御するタイプ。歯科医が使うタイプですね。

でもハンドピース内蔵の小型モーターなので高頻度・長時間の使用にはあまり耐久性がありません。内部のベアリングやスプリングなどの摩耗部品を交換してやればいいのですが、ハンドピース自体をバラシて小型モーターもバラして、部品交換は専門業者さんじゃないと出来ません。

 

念のために1台のコントローラーに2台のハンドピースを持っていて、1台がメンテナンスに出てもいいようにしてあります。

 

 

でも、ふと思い立ってまたまた新兵器が欲しくなっちゃったのです!

今度は「シャフト・モーター」タイプのルーターにしよう♪

 

この手のマシンはスイス製、ドイツ製が優秀なのですが、、、、、世界的にジュエリー用ルーターは、レディースジュエリー向けの微細な回転コントロールや小型先端工具の使い勝手が求められます。Philip College Ringの主力商品カレッジリング・チャンピオンリングには微細な回転調整や小さな先端工具の使い勝手よりも、強力なトルクと大中小様々な先端工具の汎用性の方が大事。

 

そういう条件で探すと、当然ながらカレッジリング・チャンピオンリング本場のアメリカ製のマシンに辿り着きました。

 

FOREDOM社のシャフトモーターです。

同様の理由でPhilip College RingのバフモーターもFOREDOM製です。

例のごとく日本語取り扱い説明書は無し。

 

オプションでモーターハンガーも買いました。

↓↓↓↓↓こうなるのです。

続く


【2020.06.12 Friday 07:08】 author : 管理人(Philip College Ring) | 工具紹介シリーズ | comments(0) | - | - | - |
工具紹介シリーズ:アメリカ製ニッパー

またまた新兵器購入!

マイクロニッパー(細い線材などを切るニッパーはさみ)。

 

刃物系にしては珍しくアメリカ製。

彫金工具の刃物ではスイス製が最高品質と言われますが、これは特許構造なのでアメリカのXuron社の独占販売。

 

どこが特許なのかというと、「コロンブスの卵」のように単純な構造です。

普通のニッパーは刃先がぶつかり押し切る構造ですが、Xronは「はさみ」のように羽が交差するのです。これで特許取れるんだ・・・・じゃあ、普通のハサミはなんだ???

 

早速、試し切りしてみました。なんだか不思議な感触で「くにゅ」と切れます。

でも、切り口はとてもきれいでした。力もいりません。


【2020.06.02 Tuesday 09:31】 author : 管理人(Philip College Ring) | 工具紹介シリーズ | comments(0) | - | - | - |
工具紹介シリーズ:スイス製糸鋸羽

新兵器を購入しました。スイス製イトノコ羽です。

 

彫金工具の特に刃物系は、スイス製がNo.1です。

Philip College Ringのタガネやミル類のほとんどがスイスのバローベ社の品物。

 

今回のイトノコ羽は、やはりスイスの金物メーカー「PIKE(パイク)」のもの。

 

番手(目の細かさ)1と2を1ダースづつ購入して試してみます。

 

写真ではわかりませんけど、PIKEのイトノコ羽はこうなっているのです。

↓↓↓↓↓

 

 

普通のイトノコ羽はコレ↓↓↓↓↓

PIKEと比べると突起羽の密度が低いですね。

 

若しくは鎖状↓↓↓↓↓

これ、使った事ありますが「ゴリゴリ・・」って感じで「引き切る」というより「押し切る」感じで大雑把な切り口にしかなりません。

 

 

 

PILE試してみたら、ほんとに細いカット面でキモチいいくらいスムースに引け(切れ)ました!


【2020.06.01 Monday 08:03】 author : 管理人(Philip College Ring) | 工具紹介シリーズ | comments(0) | - | - | - |
バッグ・チャーム製作 その6

さて、全ての閉じ口が溶接されたら、最後のメッキ工程に入ります。

 

メッキ作業のポイントは、

 

1)下準備

2)下処理

3)時間・温度   です。

 

 

まず、メッキ機材のビーカーや電極、防護網などをきれいに洗浄して準備します。

 

純金メッキ液200cc、適正温度は63度。この純金を含んだメッキ液はビーカー1杯分で1万円近くします。

 

次に下処理。メッキは汚れ・脂を極端に嫌いますので、メッキする部材にカーボンなどの汚れがないように酸洗いし、有機溶剤で脂分を落とした清浄状態にします。この下処理作業からメッキが完了するまで、一切素手では触りません。

これを手抜きするとメッキ品質が悪くなります。ムラや濁り、シミ、発色の悪さなどにつながるのです。

 

そしてリンス用の水も用意します。

まだまだ下処理です。有機溶剤から引き揚げた部材を手前の水でリンス洗浄して、最後の下処理の電解洗浄を行います。手前のビーカーが電解洗浄、奥のビーカーはメッキ液です。

電解洗浄とはイオン交換ですね。これでス穴や溶接部のデコボコ内部の不純物も完全に除去されて、本当の完全清浄状態になります。水に漬けると水の表面張力が無くなり水滴にならずに表面に幕が張るように濡れるようになればOK。

電解洗浄は、部材の表面積にもよりますが基本は1分間。

 

そしてようやく本番のメッキ。

63度の金メッキ液に欲しい色目まで約1分間を目安に浸漬します。考慮すべきは、部材の表面積、メッキ液の液中金属濃度。複数回使用したメッキ液は、液中金属濃度が下がっていますので長めに浸漬しないといけません。新しいメッキ液なら1分より早く引き上げないといけません。

 

ここは、温度・時間の定量的要素に視覚・直感の定性的要素もプラスする必要があります。

 

 

そして使い終わったメッキ機材は、全て水洗いして清潔にして乾燥させたうえで保管します。整理整頓までが作業のセットです。乱雑に散らばっていたり、道具・機械が手入れされていない現場から良い品質のモノは生まれません。

 

機材の整備まで終わるとようやくメッキ工程終了で、製品が出来ました。

 

全6回に渡ってお送りしてきたバッグ・チャーム製作シリーズ、終了です。

 

このチャームは、バッグブランドさんの発売前試作品です。

実際に発売になったら、もっと詳しく商品そのものをご紹介しますね。

 

おわり


【2020.05.09 Saturday 08:20】 author : 管理人(Philip College Ring) | 工具紹介シリーズ | comments(0) | - | - | - |
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